クルスはアリアを抱きしめたままなかなか離さなかった。
 何なんだろう、この男。
 アリアは不思議だったが、クルスの体温が心地よく
そのまま溶けてしまいそうだった。

 しかし、コン……何かを投げつけられた音で
アリアは現実に引き戻された。

「白い悪魔!ここから出てけ!」

 アリアが振り向くと小さな男の子がアリアとクルス
めがけて石を投げ付いている。

「何すんのよ!このチビ!」

 アリアがずんずんと男の子の元に詰め寄ろとする。
 しかしクルスがアリアを引き止めた。
 
「アリア帰ろう」

「でも、あのチビの教育上良くないわ」

「いーから」

 そのままアリアはクルスに引っ張られ城へと戻った。

 白い悪魔……それって何なのだろう?アリアの胸に残った。