うぅ……なんか、どっと疲れた……。
昼休み。私は財布を片手に、ふらふらと1階のロビーにある自販機へと向かっていた。
考えてみれば、辻くんは同じクラスで。なるべく顔を合わせないようにはしていても、やっぱり限界がある。
しかもなんか、逆に向こうからは視線を感じるんだよね……まあ、これだけあからさまな態度で逃げてれば、不審がるのも当たり前かあ。
ふぅ、とため息をつきつつ、廊下の角を曲がると。
「──ッ!」
「あ、いた」
息を飲んで目をみはった私の前に現れたのは、いたって冷静な表情の辻くんだ。
とっさに回れ右をしようとするも、難なく手首を掴まれてしまった。
「っえ、」
「ちょっとこっち」
私の困惑なんておかまいなし。ずるずると半ば引きずられるように連れて行かれたのは、廊下を歩く生徒たちの邪魔にならない階段下の狭いスペースで。
人気のないその場所にたどり着くと、辻くんは私の手首を掴んでいた手を放し、くるりとこちらを振り向いた。
その眼差しに、思わず体がこわばる。
「あのさ。なんで、逃げんだよ」
……ああ、相変わらず直球なんですね……。
昼休み。私は財布を片手に、ふらふらと1階のロビーにある自販機へと向かっていた。
考えてみれば、辻くんは同じクラスで。なるべく顔を合わせないようにはしていても、やっぱり限界がある。
しかもなんか、逆に向こうからは視線を感じるんだよね……まあ、これだけあからさまな態度で逃げてれば、不審がるのも当たり前かあ。
ふぅ、とため息をつきつつ、廊下の角を曲がると。
「──ッ!」
「あ、いた」
息を飲んで目をみはった私の前に現れたのは、いたって冷静な表情の辻くんだ。
とっさに回れ右をしようとするも、難なく手首を掴まれてしまった。
「っえ、」
「ちょっとこっち」
私の困惑なんておかまいなし。ずるずると半ば引きずられるように連れて行かれたのは、廊下を歩く生徒たちの邪魔にならない階段下の狭いスペースで。
人気のないその場所にたどり着くと、辻くんは私の手首を掴んでいた手を放し、くるりとこちらを振り向いた。
その眼差しに、思わず体がこわばる。
「あのさ。なんで、逃げんだよ」
……ああ、相変わらず直球なんですね……。