「……だから、わかんねぇんだよ。言いたいことがあるなら、口に出して伝えてくんねーと」



さっきは逸らした話題を、わざと自分からぶつけた。

俺の言葉に反応して、蓮見の顔がこわばったのがわかる。

ああ、やっぱり。そう思いながらも俺は、黙って彼女の次の言葉を待つ。


蓮見は俺と会話しつつも、さっきからずっと、何か言いたそうな表情をしていた。

いくらバッテリーじゃなくたって、それは気づいてたから。

例えばそれが、俺にとって悪い話でも、そうでなくても……きちんと、向き合わなきゃいけない。

もう、逃げるのは、やめだ。



「え、えっと、ね」

「うん」



覚悟を決めた俺は、じっと蓮見を見つめた。

彼女は何かをためらうように視線をさまよわせ、ボールを握りしめている。

そして不意に、その顔を上げた。