「よし、全員注文したものそろったね~?」



やって来たのは、よくこの3人で訪れる和風カフェ。

それぞれが頼んだ飲み物やデザートが手元に到着したのを見計らって、沙頼がうなずく。

ここに来るまで、私はまともに発言もさせてもらえなかった。さすがにもう、聞いてくれるかな。

戸惑いながら、口を開く。



「ど、どうしたの? いきなりふたりとも……」

「『どうしたの』は~、はすみんの方でしょ?」

「え」



テーブルを挟んだ正面からピシ、とこちらを指さす佳柄に、思わず目を丸くする。

私の左横にいる沙頼が、やれやれといった様子で肩をすくめた。



「まおが自分から話す気になるまで、待ってるつもりだったんだけど……もうね、限界っていうか」

「ひとりでため込むのはよくないぞー? はすみん」



こちらを見つめるふたりの顔には、やさしい笑み。

なんにも、話していないはずなのに。その表情は、まるで全部わかったうえで受け入れてくれているみたいで。

私は、思わず言葉に詰まる。