帰り道にあるレンタルショップでレンタルするCDを探していた。




しかも……クラシックコーナー。




こんなとこ、誰かさんに見られたら……何言われるか……。



どうせ嫌味に、



「コーナー間違ってんじゃない?」



そうそう。



言ってくるよきっと……。



えっ?




「っ!!」



いつの間にか……わたしの真横には、私服姿の米倉くんが立っていた……。



「……学校休んでこんなとこぶらついてるなんて、良い身分ね」



とりあえず、嫌味を返しとく。



「……まあな」




あれ?



なんだろ……。




声が掠れてる……?



「……風邪?」

「えっ? あぁ……まぁ、そんなとこ」


わたしの問いかけに、適当に答える米倉くん。



へぇ……。



風邪引いたんだ……。



「オススメ。じゃあ」



ぼーっと米倉くんを見つめていたわたしに、不意に差し出された一枚のCD。



それを受け取りながら、



「お……お大事に……」



小さく彼の背中に声をかけた。



一瞬振り返って、



無防備な微笑みを見せて、



去っていく……。