つきあたり……つきあたり……あ、ここかな――?

言われた通りに行くと、カウンターの奥にドアがあった。

休憩室ってここでいいんだよね――?

石堂さんって、もともとあんな感じの人なのかな――。

とりあえず今は気にするのをやめて、目の前のドアをノックしてみたけど、返事はなかった。

「失礼しまーす」

誰もいないのかな?と思いつつも遠慮がちにドアを開けて中に入ると、ひとりスタッフらしき女性が椅子に座って足を組みながら電話をしていた。

休憩室はさほど広くなく、中央にテーブルがあって椅子が三脚。壁に沿ってカウチが置かれている。そして仕切りカーテンの向こうには共同ロッカーがいくつか並んでいた。

「うん、うん、わかってるって、じゃあ仕事頑張ってね。うん、私も愛してる」

う、彼氏と電話中かな? なんか気まずい――。

綺麗にカラーの入った濃茶のボブに組んだ足がすらりと細長い。耳に髪をかける仕草から覗いた横顔はかなり器量のいい美人だった。