「変なやつ」
「へ、変な奴って……あ、そういえば、石堂さんって、天邪鬼なんですか? さっき、雅人さんが言ってたし、前に水谷さんもそう言ってたのを思い出しました」
そう言うと、石堂さんは面食らったような顔になって、眉間に皺を寄せる。
「水谷、あいつ……ほんとに余計なことを……」
「だから、今まで嫌な女だとか、ムカつく女だとか、うざい、とか色々言われましたけど、それって全部逆だったってことですよね?」
石堂さんの顔をひょいっと覗き込むと、石堂さんは、気まずそうに私から視線をそらした。
「お前、今日はいつも以上に生意気だな」
すると、石堂さんは照れ隠しか、反撃か、私の頭を乱暴にぐしゃぐしゃ撫で回してきた。
「も、もう! せっかく綺麗にしたのに、やめてくださいって」
「ぷっ」
手櫛でさっと整えると、石堂さんがそんな私を見て噴き出した。けれど、決して想いは届かないのだろうと思っていた彼と、こんなやりとりができる日が来るなんて、思ってもみなかった。
「へ、変な奴って……あ、そういえば、石堂さんって、天邪鬼なんですか? さっき、雅人さんが言ってたし、前に水谷さんもそう言ってたのを思い出しました」
そう言うと、石堂さんは面食らったような顔になって、眉間に皺を寄せる。
「水谷、あいつ……ほんとに余計なことを……」
「だから、今まで嫌な女だとか、ムカつく女だとか、うざい、とか色々言われましたけど、それって全部逆だったってことですよね?」
石堂さんの顔をひょいっと覗き込むと、石堂さんは、気まずそうに私から視線をそらした。
「お前、今日はいつも以上に生意気だな」
すると、石堂さんは照れ隠しか、反撃か、私の頭を乱暴にぐしゃぐしゃ撫で回してきた。
「も、もう! せっかく綺麗にしたのに、やめてくださいって」
「ぷっ」
手櫛でさっと整えると、石堂さんがそんな私を見て噴き出した。けれど、決して想いは届かないのだろうと思っていた彼と、こんなやりとりができる日が来るなんて、思ってもみなかった。



