私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~

「くそ、水谷のやつ……やられた」

「あの、やっぱり私が見ちゃいけないものだったんでしょうか……」

水谷さんは、私には見る権利があると言っていた。がくりとうなだれる石堂さんを見ると、本当に見てもいいものだったのかと、だんだん不安になってきてしまう。

「いや、いいんだ。お前が見ても、別に構わない……けど、あんなの本人に見せるなんて……くそ、恥ずかしすぎる」

石堂さんって、本当に恥ずかしがり屋なんだな――。

店ではあんなにクールに振舞っていたけれど、本当の石堂さんの姿を見れたような気がして、嬉しくなってしまう。

「あの、私、石堂さんをサポートできるように頑張ります」

そう言うと、石堂さんは左右に首を振った。

「違う。サポートするのは、俺ら本社の人間だ。現場の仕事を円滑に運営するために本社があるんだからな、同じ職場じゃなくなっても、俺はお前をずっと見てる。だから、なにか困ったことがあったらなんでも言ってこい」

石堂さんの頼もしい言葉に、私は笑顔で大きく頷いた。