私、それでもあなたが好きなんです！～悩みの種は好きな人～

「あぁもう！　本当はこんな姿、お前には見られたくなかったんだよ、男が必死になって……なんか、カッコ悪いだろ……そういうの」

私の視線から逃れるように、石堂さんは私と目を合わせない。

こんな石堂さん、初めて見た――。

まだまだ私の知らない石堂さんをもっと知っていきたい。そして、もっと好きになっていきたい。

「カッコ悪くなんてないですよ、こんな恥ずかしがり屋の石堂さんも、全部好きです」

「……馬鹿」

石堂さんがそう言いながら私の頬に伝った涙をそっと拭った。

「マニュアルのことがあって、お前に後ろめたさもあった。だから、この気持ちは許されるものじゃないって、自分の中で言い聞かせてた……けど、そう思えば思うほど自分でも怖くなるくらいに、お前のことが頭から離れなくなっていった」

「石堂さん……私、ずっとずっと好きです。好き……石堂さんのことが好き」

私は何度も石堂さんに溢れ出る想いをぶつけた。これでもか、というくらいに。

「里美、お前のこと……愛してもいいか？　俺のものにしてもいいという権利をくれ、俺が一生、お前を守ってやるから、何があってもだ」

「……はい」

お互いの視線が絡み合うと、場所をわきまえなければ、などという理性なんて吹っ飛んでいた。