そう、意を決してドアをノックすると、男性の低い声で中へ入るよう、返事が帰ってきた。
「失礼しま――」
い、石堂さん――!?
長机の中央に座っているスーツ姿の石堂さんが、無表情でじっと私を見据えている。確か、水谷さんが、社員になれるかどうかは石堂さんに決定権があると言われたことを思い出した。だから、今日の面接にも、彼がいて当然なのだ。そう頭ではわかっていたけれど、石堂さんの姿を見て、ドキドキと波打つ鼓動にさらに拍車がかかった。
両サイドには、人事部の人と思われる五十代くらいの男性が、なにかの書類に目を通しながら私をちらっと見た。座るように促されて、私は人知れず深呼吸をすると、石堂さんの正面に座った。石堂さんはニコリともせずに、難しい顔つきで、メガネをかけた右隣の男性から書類を渡されていた。
「失礼しま――」
い、石堂さん――!?
長机の中央に座っているスーツ姿の石堂さんが、無表情でじっと私を見据えている。確か、水谷さんが、社員になれるかどうかは石堂さんに決定権があると言われたことを思い出した。だから、今日の面接にも、彼がいて当然なのだ。そう頭ではわかっていたけれど、石堂さんの姿を見て、ドキドキと波打つ鼓動にさらに拍車がかかった。
両サイドには、人事部の人と思われる五十代くらいの男性が、なにかの書類に目を通しながら私をちらっと見た。座るように促されて、私は人知れず深呼吸をすると、石堂さんの正面に座った。石堂さんはニコリともせずに、難しい顔つきで、メガネをかけた右隣の男性から書類を渡されていた。



