私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~

そのファイルに示されていたのは、おそらく石堂さんが記述したと思われる私の業務に関しての報告書だった。事細かく私の仕事中の行動や、思考、そしてミスをした時のことまで書かれている。それを、私の知らないところで、影で石堂さんがフォローしてくれていたことも書かれていた。

私は……ずっと石堂さんに支えられていたんだ――。

今頃気がついた石堂さんの優しさに、じんわりと目頭が熱くなる。そして、クリスマスのイベントの時には、私が率先して店に貢献したことや、その時の最終売上まで記載されていて、私が今までの従業員とは違い有能であることが記されていた。

――本人の意思によっては、今後スフラの社員雇用を検討中。

「え……?」

社員……私が――?

そして、最後の空欄に書かれている記述を見て、私は思わず声にした。

「社員……?」

「えぇ、石堂はあなたをずいぶん買っているようです。アルバイト雇用の権利はオーナーにもありますが、社員となると、その許可は石堂に委ねられています」

石堂さんは、私をそこまで見ていてくれたんだ。そう思うと嬉しさがこみ上げてくる。

「是非、我々の仲間として、社員として、あなたがスフラグループの一員に加わって頂けるのを期待しています」

私が……スフラの社員――。