私、それでもあなたが好きなんです！～悩みの種は好きな人～

「先日、いきなり私のアパートにお母さんが来てお見合いの話をされた。二十年ぶりの再会で突然だよ？　でもね、本当は来るはずだった相手の人、来なかったの」

「来なかった……？」

姉は私の話が見えないようで、頭にハテナマークが浮かんでいた。

「その相手の人が来なかった代わりに誰が来たと思う？　石堂さんだよ、もう……びっくりしちゃって……お母さんも一ノ宮さんも」

あの時の驚きは今でも忘れない。本当に、目の前に石堂さんがいることが信じられなかった。すると、姉がふぅん、と頷いて腕を組んだ。

「どうりで……。お母さんと一ノ宮さん、朝から出かけていなかったと思ったら……こういうことだったのね」

どうやら姉は、私がお見合いをさせられることは知らされていなかったようだ。私の話を聞いて、納得が言った顔をする。