私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~

石堂さんが先程言っていた言葉が脳裏に蘇る。

石堂さんが言っていた「待ってる人」って……お姉ちゃんのことだったんだ――。

すると、姉はにこりとして言った。

「石堂さんのおかげよ。実は、今日、石堂さんから昼前に電話がかかってきて、里美に会いたい気持ちがあるなら、グランドパークホテルのロビーに来いって、それだけ言われたの」

「え……? 石堂さんが……?」

長年、生き別れになっていた姉に引き合わせてくれた石堂さんの優しさに、私の胸が熱くなる。

「里美は? どうしてこのホテルに?」

「実はね、今日、私……お母さんと一ノ宮さん同席で、お見合いさせられるところだったんだ」

私がそう言うと、姉は驚いた顔をしてこぼれ出そうな声を押さえ込んだ。