私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~

「会いたかった! お姉ちゃんに……私、本当に会えたんだ」

すると、姉はもっと顔をよく見せて、と私の頬をそっと撫でた。

「私……結局、今まで里美に何もしてあげられなかった……本当にごめんね」

背中まで伸びた髪は、私と長さは違うけれど、自分と同じ黒髪で小柄な身長も、小さな口も、二十年経っても自分とそっくりだった。姉は声を震わせて頬や頭を何度も撫でた。

「私の苦労はお姉ちゃんのせいじゃないよ、だから自分を責めないで」

姉の肩口に顔を埋め、気が付くとロビーを行き交う人が何事かと私たちを不思議そうに見ていた。

ゆっくりと互いに身体を離す。

「お姉ちゃん、ここじゃなんだし、時間があるなら少し話がしたい」

「そうね、あのソファに座ろう」

ちょうど日当たりのいい窓際の席が空いている。私たちはソファテーブルを挟み、向かい合って座ることにして、久々の再会に胸を弾ませた。

「ところでお姉ちゃん、どうしてここに私がいるってわかったの?」

――たぶん、一階のロビーでお前を待ってる人がいる。