「どうですか? こんな悪巧みをしているようなところとは、お近づきにもなりたくないですね。私はなんせ、勘の冴える男ですので、スフラにとって不利益になるのは予想がつく。それに、私が智美さんと婚約をしない理由は、ご理解いただけましたか?」
石堂さんはICレコーダーを再びポケットにしまうと、目の前で固まっているふたりにそう言った。
「う、嘘よ、そんなもの……なにかの間違いだわ!」
信じられないといったふうに、母が混乱して言った。そんな様子を石堂さんは左右に首を振って静かに口を開く。
「嘘じゃありません。だって、この録音した音源は智美さんから頂いたのですよ? あなたは、あなたの娘を信じられないとでも?」
「え……? そ、そんな……智美が?」
母は両手で震える口元を押さえ、顔面蒼白になっている。
石堂さんはICレコーダーを再びポケットにしまうと、目の前で固まっているふたりにそう言った。
「う、嘘よ、そんなもの……なにかの間違いだわ!」
信じられないといったふうに、母が混乱して言った。そんな様子を石堂さんは左右に首を振って静かに口を開く。
「嘘じゃありません。だって、この録音した音源は智美さんから頂いたのですよ? あなたは、あなたの娘を信じられないとでも?」
「え……? そ、そんな……智美が?」
母は両手で震える口元を押さえ、顔面蒼白になっている。



