「雅人さんももう帰りますか?」
私服姿に着替えた雅人さんを見て、気持ちを切り替えるように言うと、雅人さんが困ったように言った。
「そうなんだ。悪いね、急ぎで出かける用事ができてしまって……花岡さんはまだ? もう疲れてるだろうし、簡単でいいよ」
「はい。あと、菓子類を片付けたら終わりにします」
「私もちょっと約束があって急ぐんだ。ごめん」
怜奈が顔の前でパンッと両手を合わせて頭を下げる。
「ううん、大丈夫。私もすぐ帰る」
早くひとりになりたい――。
「裏口はオートロックになってるから、帰る時は裏から出るようにね。本当は僕が店を閉めなきゃならないんだけど……」
「大丈夫です。任せてください」
店の鍵を持っているのは石堂さんと雅人さんだけだ。鍵がかけられない時は裏口から出るようになっている。
「じゃあね」
「うん、お疲れ様」
雅人さんと怜奈が店を後にすると、しんと静けさに包まれた。遠くの大通りから車のクラクションが微かに聞こえてくる。掃除を済ませ、店頭に並べられた菓子類を片付けるとようやく今日の仕事が終わった。
私服姿に着替えた雅人さんを見て、気持ちを切り替えるように言うと、雅人さんが困ったように言った。
「そうなんだ。悪いね、急ぎで出かける用事ができてしまって……花岡さんはまだ? もう疲れてるだろうし、簡単でいいよ」
「はい。あと、菓子類を片付けたら終わりにします」
「私もちょっと約束があって急ぐんだ。ごめん」
怜奈が顔の前でパンッと両手を合わせて頭を下げる。
「ううん、大丈夫。私もすぐ帰る」
早くひとりになりたい――。
「裏口はオートロックになってるから、帰る時は裏から出るようにね。本当は僕が店を閉めなきゃならないんだけど……」
「大丈夫です。任せてください」
店の鍵を持っているのは石堂さんと雅人さんだけだ。鍵がかけられない時は裏口から出るようになっている。
「じゃあね」
「うん、お疲れ様」
雅人さんと怜奈が店を後にすると、しんと静けさに包まれた。遠くの大通りから車のクラクションが微かに聞こえてくる。掃除を済ませ、店頭に並べられた菓子類を片付けるとようやく今日の仕事が終わった。



