私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~

「マキアートって言ったのに、ミルクの量が多すぎよ、あれじゃカフェオレみたい」

マキアートはエスプレッソに少量のフォームミルクを注いだものだ。ミルクを入れすぎたつもりはなかったが、お客さんの言う事は真摯に受け止めなければいけない。

「申し訳ありません。あの、お代は結構ですので……」

「いい、そういうの気分悪いから。お釣りは募金で」

その女性は千円札を置いてそそくさと店を後にした。

やっちゃった――。

私は、呼び止めることもできずに、ただその場で呆然と立ち尽くしていた。