私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~

「えっ!?」

な、ななななんで――?

きっと熱のせいで目もおかしくなっているに違いない。ドアの向こうに立っているありえない人物に驚いて、私は思わず身を翻して壁に背を押し付けた。

どうして石堂さんがここにいるの――!?

部屋着だし、スッピンだし、髪の毛も整えていなし、汗でベタベタだし、正直こんな姿見られたくない。寝ていたことにして居留守を使おうかと一瞬考えたが悩んだ末、結局私は恐る恐るドアを開けた。

「よっ、元気か?」

そんなわけないのを知っていて、石堂さんはドアを開けるなりニヤッと笑って冗談めく。

やはり見間違いではなかった。思いがけない来客に、どうしていいか戸惑ってしまう。

「どうしたんですか? それになんでここが……とにかく中に入ってくだ――」

そう言おうとしたが、自分が風邪を引いていることを思い出した。今、自分の部屋は風邪の菌が蔓延している。そんなところへ石堂さんを招き入れていいものだろうかと悩む。

「俺はいい、お前さえ良ければな。死んでるかと思って様子を見に来ただけだし」

「え? あっ、あの!」

戸惑う私を横目に、そういいながら石堂さんは、靴を脱いで無遠慮に部屋の中へ入っていった。

「あの、ほんとにうつっちゃいますから!」

うわぁぁ~全然片付けてないのに――!

風邪をうつしたくないのはもとより、こんな部屋を石堂さんに見られるのは恥ずかしい。