――厳正なる選考の結果、今回は採用を見合わせていただくことになりました。
花岡里美様。と慇懃たる文章がつらつらと書かれた正社員の不採用通知を見るたびに、私は深々とため息をついた。

「里美~元気だしなよ、まだ二十社目でしょ? 大丈夫だって!」

「うぅ、もう泣きたい……」

同僚、いや元同僚だった沙耶は、先ほど運ばれてきたばかりのカフェラテを啜った。励ましてくれているのはわかるけれど、そんな温かな言葉が私をさらに惨めにする。

先日受けた会社の不採用通知をそっと封筒に戻すと、私はがっくりと肩を落とした。
「ほら、そんな顔しないでさ、今度はぜったい就職祝いしよ」

沙耶とは一番気の合う友人で、前職の会社で知り合った。