父が出勤した後に母と私は朝食を食べ終え、出掛ける準備をした。
私は化粧をし、身支度を整えて時間があったのでしばらくは帰って来られない我が家を眺めていた。
母も準備が終わったため、キッチンで珈琲を淹れていた。
「杏樹タクシーが来るまで時間があるからお茶しましょ」
「うん」
私はダイニングに行き椅子に座った。
「今日は紅茶のクッキーね」と言いながら母は珈琲とクッキーを机の上に置いた。
「杏樹これあげる」と言い母は私に一冊のノートを渡した。
私は何も言わずにそのノートを開けるとそこには料理のレシピが載っていた。
「杏樹が大好きな料理が載っているから食べたくなったらそれ見て作ってね」
「お母さんありがとう」
「杏樹は幼いころ方家事全般を手伝ってくれたからそんなに心配はしていないけど、食生活は気を付けてね」
「いつから作っていたの?」
「あなたが京都の大学に進学したいって言った時から」
「2年前から⁉ でも、私が京都に進学しないとは考えなかったの?」
「あなたは有言実行だから京都に行くことは分かっていたわ」
この時母は偉大であり、私の一番の理解者ということを実感した。

