あいつが、ビスケットを粉々に割っている。
なんだ?癇癪起こしたか?

「これは土台にする。ケーキつくる。」

まじか!明日は雨か、雷か、台風か!

「メレンゲできない。」

気合いが足りないんだよ!
もっと、混ぜろー!
仕方ないな、俺がやるよ。
って本当に、ツノが立たない。なぜだ…
あいつ、コンビニやカフェで持って帰ってきた
スティックシュガーを入れてやがった。

そりゃ、グラニュー糖だろ!
白けりゃ何でもいいってもんじゃねぇ。

「買ってきて。」

仕方ねーな!待ってろ。上白糖!
買ってきたぜ。使え。

「混ぜて。」
やっぱり、そう来るのか。

一抹の不安がよぎる。
あいつ、ちゃんと分量はかったのか。

料理できないくせに、あいつはいつも、目分量。
適当すぎんだよ。
お菓子づくりは科学なんだ。
ちょっと分量間違えたら、命取りなんだ。
あいつには、荷が重すぎる。

もう、いちから、俺がやってやる。
こうしてできた、レアチーズケーキ。
完璧!パーフェクト!

「誕生日おめでとう!」

えっ、そうだ。今日は俺の誕生日だ。
ありがとう。嬉しいぜ。

でも来年は、市販のケーキ買おうぜ。