――プシュッ 扉が開くと、私は電車へと乗り込む。 朝は通勤通学ラッシュで、毎度のことながら今日も電車の中は混んでいた。座る席などあるわけもない。 心の中で「はあ」とため息をつきながら、近くの吊り革を握る。 ほとんどの人が立っていて、電車は満員に近かった。 ――ガタンッ 眠いな、と思っていると、大きな音を出して電車が揺れた。いつも急なカーブがあって結構揺れるのだ。