ぎゅぅぅぅうう。
せめてもの仕返しにと、燎平の手を握りつぶす。
「……いや、何もいたくねぇし。」
……そうですよ、握力弱いんですよ。この間の体力テストで測ったら右手6左手11でしたよ。それが何か?
てか普通なら利き手の右の方が強くね…
左手お前空気読めよ←
…まあそんなことはどうでもいいか。
今はこの状況から逃げ出さなくては。
「咲希ぃ……」
最後の救いにと、咲希に懇願する。
何故か咲希さん、閻魔大王様みたいな顔してるんだけどね。
せっかくの美人さんが台無しだぞぉ。
「今回ばかりは燎平に同意。諦めなさい。」
うわぁぁぁぁんっ、咲希の馬鹿ぁぁぁぁっ!
ふんっ、女の友情なんて、こんなものだ……
諦めた私は、ズルズルと燎平に引きずられることにした。

