怜先輩との気まずい空気に耐え、ちらちらと先輩の顔色をうかがいながら向かった学校。
ようやく到着。
「ううっ、咲希〜、燎平〜」
自分の教室に入った瞬間、大好きな友達に抱きつく。
高野 咲希(こうの さき)と西崎 燎平(にしざき りょうへい)。
咲希は美人で姉御肌、燎平はイケメンだけどたまにお馬鹿ななサッカー男子。
二人ともめちゃくちゃモテる。
まあそりゃあね!自慢の友達ですからっ!
「うわっ、どうしたの、結愛。」
「おーなんだ?甘えたい時期か?
そういうのは怜先輩にやれよな。」
「うるさいっ、燎平のばかっ!」
「なんで俺が馬鹿呼ばわりされなきゃいけねぇんだよ!?」
「あんたは実際に馬鹿でしょーが。」
「うるせぇぞ咲希!
で、怜先輩とまた何かあったのか?」
「最近多いわねぇ……」
「ううっ、そうなんだよー……」