「あっ、結愛、どうだっ……

結愛?」



「っ、咲希……私っ、ううっ……」



「ゆ、結愛!?

どうしたのよ、何があったの…?」



あの光景を見てから、逃げるように怜先輩の教室から去り、咲希と燎平のところに戻った。



「お、おい結愛、どうしたんだよ、あいつがまた馬鹿なことしやがったのか?」



「う、うう、燎平ぃ……」



「うわっ、ちょ、結愛!?」



優しく私の顔をのぞき込む燎平を見て、つい抱きついてしまった。



「やっぱり怜先輩は、私のことなんか好きじゃなかったっ……!」



「は…?

あいつが、結愛にそう言ったのか?」



信じられない、という顔をする燎平。



それと同時に、身体を離される。



まあ、そうだよね。



「どうしてそんなことになってるのよ……」



咲希ちゃんは何かを呟いたようだったけれど、小さな声で聞き取れなかった。