縛られし者





全く悪びれる様子のない紫雨にため息が出そうになるのを我慢する。



世の為になることは認める。


拒食症や病気で食事ができない奴にとって、紫雨の作った栄養剤は確かに需要性の高いものだろう。



だが、紫雨の為になるかと言うとならないだろう。


こいつ、本当に食事する気ないな。



紫雨は努力と才能と知識の使い方を間違っている。



あぁ………頭痛がしてきた。



「いいか紫雨。食事は食べる奴の健康を維持及び増進させ、また疾病の予防や治療に必要な栄養素を過不足なく摂取する為の栄養学的側面の役割があり、またその食事が食べる人の食習慣や食文化を満たし、美味しく食べることで心の豊かさや満足感をもたらすものだ。そして、人間関係やコミュニケーションの形成などの社会性を高める側面での役割がある。」

「…………それくらいは知っていますよ。」