縛られし者





「…………まぁ、栄養のあるものはきちんと摂取しています。」



俺から目を逸らしながらそう言う紫雨を見れば、それがどういう意味なのかぐらいは容易に想像がつく。



「栄養剤か。」



反応的に考えて、紫雨は家を出てからもまともな食事をしていないだろう。



「全く………、栄養剤何かに頼りやがって。」

「お言葉ですが一条聖斗先生。栄養剤は栄養剤何かではありませんし、私が使っている栄養剤はただの栄養剤ではありません。」



力説する紫雨には悪いが、栄養剤は栄養剤であり、それ以上でもそれ以下でもない。



「私が使っている栄養剤は私が作ったものなのですが、ありとあらゆる栄養素を詰め込んだ優れものです。
流石に数種類に分けてはいますけど、それでもたった数粒を1日に3回飲むだけで人間に必要な栄養素を摂取出来るんですよ。拒食症や病気とかで食事ができない人や、食事をする気のない私の味方です。我ながら本当に世の為私の為になるものを作ったと思いますよ。世には出回ってないんですけどね。」