最初は怪訝そうな表情をしていた一条聖斗先生でしたが、仕方なさそうにしながらも手を差し出してくださいました。
そんな一条聖斗先生に後光が差していると見えたぐらいには、私は疲れているようです。
最近は私のもう一つの顔である、最高級ブランド店ロイヤルの社長としての仕事が忙しく、ほぼ不眠不休でおそらくは1週間近く働いていましたから、疲れていても仕方が無いのですけどね。
そして、そんな時に大量の書類を残して脱走したお父様を探そうなどという感情が生まれなかったのは、当然だと思いたいです。
私がするべきなのはお父様を探すことではなく、お父様が残して行った書類を終わらせることなのですから。
「やっぱり一条聖斗先生は話のわかる方ですね、助かります。」
仕事を手伝って貰うようになってからまだ数ヶ月程度ですが、一条聖斗先生の優秀さをより理解するには十分すぎる月日でした。
一条聖斗先生が手伝ってくださるのなら百人力です。

