大きな道具はもうマンションに運んでいたので、残っている細々としたものを一つにまとめ終えて、次はお父様の執務室へ向かいました。
しかしながら執務室はもぬけの殻で、私が家を出たことを知らない如月茜様に聞いても、私の部屋の掃除をしてくださっていた梓さんに聞いてもお父様の行方は掴めませんでした。
今瑛斗様にお父様を探しに行って貰っているので、とても忙しいですが何とか暇を作った私がお父様の置いて行った大量の書類の片付けをすることになりました。
「とまぁこのような次第ですので、手伝っていただけませんか?」
「執務室に居なかったって………自分の立場を理解してないんじゃないのか?」
「その通りです、全くもってその通りなんです。お父様はご自分の立場をまるでわかっていないのです。いえ、立場ははわかっているのでしょうが、お父様の辞書に自重するという言葉はありません。本当に大切な時にそのようなことをしないことが、せめてもの救いです。
まぁ今回はお父様の仕事配分を間違えた私にも責任があると思いますから、そこまで責めるつもりはありませんけど。」
ですが、少しはこちらの身にもなってもらいたいものです。
「……………仕方が無いな。やってやるからさっさと書類を出せ。」

