カーテンを閉め切ったのもシャンデリアの明かりをつけなかったのも、青白い光を灯すスタンドランプの明かりだけつけたのも私ですけどね。
「そもそも片付けをしに戻らないといけないほどの物も、持ってきていないんですけどね。」
家具の類は新しく用意しましたし、屋敷からマンションに持ってきた物もすぐに片付け終わるような物と数。
「一条聖斗先生はとても気に入っているのですが、食生活辺りを見られると面倒なことになりそうなんですよね………。」
食事する気なんてさらさらない私は、コーヒーや紅茶を飲む為のカップとソーサー、道具類と使うつもりのない、もしもの時のための食器を除いて全て持ってきていない為、バレてしまうと面倒そうです。
聞いた話では一条聖斗先生は意外と世話焼きだそうですし、自分で言うのもどうかと思いますが不健康で不健全の塊のような私は世話焼きからすれば放っておけない存在でしょう。
「あぁでも、私を気に掛けるような人は梓さんぐらいのものでしょうから、心配する必要はないかもしれないですね。」
薄暗く静かな部屋で呟いたその言葉は、思いの外大きく響きました。

