狂った彼に花束を

「花音は俺だけのもの。どこにも行かせないし、誰にも渡さない。」

彼は私の右頬に軽くキスをした。
そして、左足に重い重い足枷をつける。

もう、逃げられない。
足枷がそう語っているように見えた。

「いや……。」

「そんなに拒絶されると逆にそそるね。」

男はペロリと舌を出し、おどけたように笑った。