「お姫様はおねむですか?」
冗談気味に響夜は尋ねる。

「風邪ひいちゃうから、少し我慢してね。」
響夜は私をお姫様抱っこで持ち上げると洗面所まではこんだ。
私は椅子に座り、響夜が手際よくドライヤーで乾かしてくれた。

「綺麗な黒髪だね。」

私は彼の声に耳を傾けながら大人しくしている。

…この生活が死ぬまで続くのかな…。