俺は泣き疲れた花音を寝室まで運んだ。

こんな小さな体で無茶ばっかりする君のことだ。
また、無理するに決まっている。

ここは響夜も知らない別邸。
少しの時間稼ぎにはなるはず。

…今のうちに響夜に対抗する術を考えとかないとな…。

俺は眠そうに目をこする花音をベッドに寝かせた。

「また明日な。」
おでこに軽いキスをし、俺は彼女に背を向けた。
しかし、右腕を微力に引っ張られる感じがし、振り返ると君が寂しそうに俺を見つめていた。