幼なじみの溺愛が危険すぎる。 〜中学時代〜

「吉川に告白しようと思ったことは?」


「ないよ」


「どうして?」


滝澤に薄く笑って答える。


「多分、それは、りり花が望んでいることと違うから」


「吉川が望んでることって?」


自分に言い聞かせるようにゆっくり答える。


「今のまま、りり花の可愛い玲音でいること」


困惑した表情で、滝澤が言葉を選ぶ。


「……それって、男としては見られてないってことだよな?
如月はそれでいいのかよ。

お前にだって、プライドぐらいあるだろ?」


滝澤の言葉に首を横にふる。


「俺はりり花の一番近くにいることができれば、
それでいい」


「それでいいって……」



滝澤は戸惑いを隠せずにいる。

だれかに分かってもらえるとは思っていない。