冷たい風が吹き、ぶるっと体を震わせる。
部室の横に植えられたイチョウの木はすっかりその葉を落としている。
部室の外に置かれたベンチで待っていると、
すぐに制服に着替えた玲音がやって来た。
「玲音、これ食べる?」
紙袋から取り出したシュークリームを玲音に差し出す。
黙って受け取った玲音が、
ひとくち食べるのをじっと見つめた。
「美味しい?」
「ん」
すこし表情を緩めた玲音にホッとする。
「良かった~」
「このシュークリーム、どうしたの?」
少しの不機嫌さを漂わせて玲音がたずねる。
「家庭科の調理実習で作ったの。
放課後まで形を崩さないでキープしておくの、
結構大変だった!」
すると、玲音が視線を合わせないまま呟く。
「シュークリーム、滝澤にもあげたの?」
「ううん、あげてないよ。
滝澤くんは他の子からいっぱいもらってたよ」
それを聞くと、玲音の頬がぱっと明るくなった。
「俺だけ?」
「うん、玲音だけだよ」
部室の横に植えられたイチョウの木はすっかりその葉を落としている。
部室の外に置かれたベンチで待っていると、
すぐに制服に着替えた玲音がやって来た。
「玲音、これ食べる?」
紙袋から取り出したシュークリームを玲音に差し出す。
黙って受け取った玲音が、
ひとくち食べるのをじっと見つめた。
「美味しい?」
「ん」
すこし表情を緩めた玲音にホッとする。
「良かった~」
「このシュークリーム、どうしたの?」
少しの不機嫌さを漂わせて玲音がたずねる。
「家庭科の調理実習で作ったの。
放課後まで形を崩さないでキープしておくの、
結構大変だった!」
すると、玲音が視線を合わせないまま呟く。
「シュークリーム、滝澤にもあげたの?」
「ううん、あげてないよ。
滝澤くんは他の子からいっぱいもらってたよ」
それを聞くと、玲音の頬がぱっと明るくなった。
「俺だけ?」
「うん、玲音だけだよ」



