「あれ、玲音どうしたの?」


肩で息をしている玲音に、首をかしげる。


「りり花と一緒に帰ろうと思って‼」


「……その恰好で?」


ユニフォーム姿の玲音を指さした。


「急いでたから‼」


なぜか、けんか腰で瀧澤君を見ながらそう言った玲音に、

目を丸くする。


「玲音、どうしたの?」


「どうもしないっ! 勉強、もう終わったんだろ? もういいよな? りり花、一緒に帰ろうっ」


「ちょっと、玲音!」


玲音がぎゅっと私の腕をつかむ。


「りり花、行こうっ」


「瀧澤君くん、ごめんね! 
勉強教えてくれてありがとう!」


玲音に引きずられるようにして、

サッカー部の部室まで向かった。



「玲音、どうしてそんなにイライラしてるの?」


玲音の顔を覗き込むと……


「イライラしてない……‼」


思いっきり怒られた。



部活の後だし、お腹空いてるのかな?