この部屋の大きさだけど一軒家の1階ぐらいの大きさ、かな?
一人部屋ぐらいの大きさはまだ怖い。
この部屋の大きさが異常だとは思わない。
私の生き方が元から普通じゃないから。
「この家を、出ていくってことか?」
「うん。だって殺めたの、朱雀でしょ?」
隆さんの体がビクリとする。
「朱雀が元々私を狙ってたこと、知ってたよ。最近まで気づかなかったけど。
朱雀は時々この家のことを悪く言ってた。私が朱雀から撒いた後にたまたま朱雀たちを見かけた時に、ね。
朱雀はこっちに気づいてなかったみたいだけど。それから、朱雀をいつ潰そうかいろいろ探ってたんだ」
「そのための、理事長室でもあるってこと?」
理事長には私からパソコンやGPS発信機などいろいろと揃えてもらった。
もちろん、魁さんや隆さんにも伝えてある。
何に使うかまでは教えなかったけど。
「うん」
「そっか。でも、朱雀には気をつけろ?あいつは自分の目的のためには何をするかわかんないぞ?」
「わかってる」
「そうか。まなちゃんは魁と同じで頑固だからね。1度言ったら聞かないし。でもそれなら、もう一つの魁との約束を守らせてくれ。
まなちゃんがこの家を出ていく時が来た時、または魁が逝った時にまなちゃんが自分のことを知りたいかもう一度聞くって。
まなちゃんとはじめて会った時に、魁が聞いてたろ?自分のこと知りたいかって。あの時は知りたいけど怖いって感じだったね。今でも同じ?」
