魁さん……。
魁さん、ごめんなさい。魁さんはやめろって、俺はそんなの望んでないぞって言うんだろうけど私は……決めたよ。
魁さんなら、私の決めたことにちゃんとした理由があれば味方でいてくれた。
だから、今回も味方でいてくれる?
「隆さん……魁さんを最後まで守ってくれて、ありがとう。私は魁さんと隆さんにいろいろと教えてもらった。
施設にいた頃よりも楽しい幸せな生活を送らせてもらった。だから、隆さんはもう休んで?」
「はは………珍しく、よく喋る」
そんな事を言ってはいるが隆さんは涙をこらえてるようだった。
「隆さん。私、朱雀を潰す。魁さんを殺めた人を見つけて私一人でやる。そしたら、ここに連れてくる。
だから、隆さんは何もせずにゆっくりここで休んでて。守らなくていい。今度は守られてるだけじゃ嫌だ。強くなりたい。
まだ、男の人に触れられるのは怖いし吐き気だってする。触れるのも、触れられるのも。でも、前より平気なんだ。
狭い空間に男の人といるのはまだ怖い。でも、この部屋ぐらい広かったら大丈夫。ほら、ね?」
そう言って私は自分の意思で隆さんの手に触れた。
魁さんにはこの家に来て3ヶ月で自分から触れられるようにはなってた。
隆さんには触れられなかった。
