白い虎と蝶 ~絆~



私が話すのも、部屋に入れて大丈夫なのも魁さんを除けば隆さんだけ。



隆さんは帰ってすぐに私の部屋に来てくれた。



その証拠に血が出たりもしてた。



手当よりも先にここまで来てくれたんだと分かった。



でも、よく見れば応急処置がしてあった。



手当してきてすぐに来たとしたら、包帯は汚れない。ということは、1週間のあいだで手当を受けてそのままだったんだろう。



部屋に来てすぐに隆さんは「ごめん、頭撫でるね」と言って私の頭をなでた。



ど、ういうこと?



隆さんはいつも私には触れてこない。



仕方なくって時は魁さん同様、私に許可をとる。



そんな隆さんが今、私に触れてきた。



「ごめん……ごめんな。まなちゃん」



隆さんが私を二人きりの時にまなと呼ぶ時は何かがある時。



それに、今の隆さんは少しおかしい。



「魁、さんは?」



隆さんと魁さんが部屋に来る時必ず魁さんが先に入ってくる。



一緒に帰ってきた時も魁さんがこの部屋に来たあとに私の部屋に来る。



だけど、魁さんが部屋に来るよりも先に隆さんがきた。



まさか……!