白い虎と蝶 ~絆~



外に出かける時は白蝶。



ウィッグをつけて、目にはカラコン。



だからあとを付けられたのかな?



それにしても、しつこいな。



魁さんの家から学校まではそんなに距離はない。



歩いて15分ぐらい。



走れば10分ぐらいで着くだろう。



とにかく思いっきり走った。



足はそこまで早くない。



なのに追いつけないってことは、私も腕が上がったのかそれとも手加減してるのか……?



魁さんの家………見えた!



もう少し。



私は走ってる勢いのまま玄関の扉を開ける。



「ん?どした、かな」



「魁さん!…っはぁ……はぁ……はぁ」



「とりあえず、部屋に行くか」



「はぁ……はぁ……っうん」



走りすぎたかな。体力が……。



「おっと、あぶねー。ごめんな、運ぶぞ」



魁さんは自分から触れる時はごめんと言うようになった。



その後に何をするか伝えてくれるから、安心する。



魁さんが部屋まで運んでくれてるあいだに私は、息を整えた。



「よし、着いた。もう立てるな?」



「うん」



部屋に入ってベットの脇に座る。