白い虎と蝶 ~絆~



ポーカーフェイスもする。



自分のテリトリーに入れないようにしていた。



だから、朱雀にもそうしてた。



「護衛なんだから、かなのこともっと教えてよ」



「…………」



魁さんに言って朱雀を変えてもらおうかな。



でも、迷惑はかけられないし……。



仕方ない、少しだけ我慢するか。



「無視、か。相変わらずだね」



「……………」



そんな生活をしばらく続けた。



察しの通り、私は朱雀が嫌いだ。



だから、私は朱雀からいつも逃げてた。



逃げてたって言うより、朱雀を撒いてた。



だけど、1度空き教室の前で朱雀に見つかったことがある。



その時は面倒だった。



はじめて朱雀を撒いた時だったからね。



こっぴどく怒られた。



魁さんが怒る時よりも怖くなかったから、怒られてる感じがしなかったけど。



それからは、魁さんに朱雀が嫌だということを言った。



そしたら理事長が仲がいいから頼んでおくと言ってくれた。



それからは理事長室に逃げてる。



はじめて理事長に会ったときに思った。



この人は朱雀よりも強いって。



朱雀が魁さんと理事長が仲がいいことを知ってる。



だから、もしかしたらここに来るかもしれない、と理事長が気を使って新しい部屋を1つ作ってくれた。