だから、私は魁さんがなんて呼ぼうが関係なく反応する。
どんな質問にもすぐに素直に思ったことをそのまま答えてきた。
「……………」
でも、その質問には言葉が詰まった。
だって行きたいわけでも行きたくない訳でもない。
特にいじめにあってた訳でもないし、友達がいたわけでもないから。
特別行きたいとは思わない。
「お前が行きたいなら行かせてやるよ。ただ、護衛を1人つけるけどな」
それから行くか行かないかを考えて、私は行くことにした。
護衛についたのは………九条組の族。
青龍の総長、朱雀だった。
「こんにちは、俺は朱雀。今日からかなの護衛につくことになった。よろしくな?かな」
そう言って手を差し出してきた。
握手を求めているんだろう。
まだ魁さんや隆さん以外の男の人に触れられるだけでも震える私は男の人と握手なんか、出来るわけがない。
だから、ただその手を見つめる。
「……………」
握手する必要もないし、この人と話す必要はない。
私はその手を握らずに歩いた。
魁さんと会ってから話す必要がないと思った人には自分の声も聞かせていない。
