奥の部屋は私を隠してるみたいに入り組んでる場所にある部屋だった。
この部屋にこの家の人とか………。
「この部屋には俺以外入れるつもりはない。だから安心してくれ。お前が大丈夫だと思う人ならお前の許可をとってちゃんと時間も決めて入れるようにする」
「そこまで、しなくても……」
そんなに私に気を使う必要は魁さんにはないのに。
どうしてそこまでするの?
「いいんだよ。それにお前、気づいてないんだろうけど」
繋いでいた私の手のひらを上にして目線あたりまであげる。
「……?」
「震えてる」
「………っ!!」
「今はまだ男と同じ部屋にいるだけでもこうなるだろうな。俺は部屋にいるだけじゃ震えてないみたいだけど触れれば別だな」
震え、てる?
「お前の意思でお前から触れてくるまで俺は自分から触れない。今は許してな。仕方なく触れる時はちゃんと何をするか言ってからする」
それから、見ず知らずの私に魁さんはいろいろとよくしてくれた。
自分の子供のように可愛がってもらった。
教えてもらったことも多い。
