俺のことは頼ってねーのに。



チッ。



ガバッ!



俺は勢いよく起き上がった。



まなの方を見れば、目を丸くして驚いている。



初めて会った時はポーカーフェイスで表情なんてほとんど変えなかった。



だけど、今じゃいろんな顔を見せるようになったよな。



俺に心開いてるってことかな?



「まーなー??」



少しだけ意地悪く笑ってみせる。



「え……あ。お、起きてた、の?い、いつから?さっきの、聞いてた?体調は?」



慌ててる。



やっぱりまなはかわいい。



「んー?さっきの、電話のこと?」



まなは聞かれてたの!?みたいな顔してる。



ぷっ。



こんなにもわかりやすいやつ他にいるか?



「あー………聞いてたの…」



聞いてちゃいけないやつだったのか?



「だいぶ、親しいみたいだな?」



「……え?」



「穏やかな声だったし」



「かなめ?」



「そいつのこと頼ってんだな」



「ちょ、かなめ?」