かなめが心配して伸ばしてきた手を私は振り払ってしまった。
思い出しちゃった……。
思い出さなければ、いつか忘れられたのに。
こんな時に、あんなこと………。
「まな?」
「あ……こ、答え合わせ……お願い、します」
かなめはさっきの悪い笑顔とは違って優しい笑顔で笑って私の頭に手を置く。
私が使っていたかなめのベットに寄りかかって座った。
私は一人分開けて隣に座る。
少し寒いのでかなめのベットにあった毛布を勝手に借りて、足にかけさせてもらった。
「話す前に2つお願いしてもいいか?」
「ん?いいよ?」
するとかなめは私の足にかかっていた毛布に手をかけた。
「え、ちょ!」
「こうしてもいい?」
かなめは一人分空いていた私との距離を詰めて、毛布の中に自分の足を入れてきた。
私はしぶしぶ頷く。
そのままかなめに聞いた。
「もうひとつは?」
「もうひとつは………」
これと言ってかなめは自分の手のひらを私に見せてきた。
