ほら……起きてる。
かなめが言ったことがわけがわからないまま気づけばまた私だけになっていて。
やだ……かなめ。
いかないで……。
私をひとりに、しないで。
叫んでもかなめは現れない。
涙が零れる。
わけがわからないままかなめが言ったことを信じて『起きて』と強く願った。
起きないと……かなめにはもう2度と会えない、そう思ったから。
かなめに会えないなんてやだ。
かなめに会いたい。
私にはまだやることがたくさんあるんだから!
そう思った時真っ暗だった場所から光が刺した。
そこをただ見つめた。
その光の先にかなめがいる気がして。
『かなめ……!』
ただ願った。
かなめに『会いたい』と。
あの安心する腕の中に『抱きしめられたい』と。
そう思った。
そう願った。
手を伸ばしたらだんだん光が強くなってきた。
それは徐々に眩しくなり、私は目を細めた。
「ん………んっ……ん?」
