私の目から視線を外さずにただ淡々と話す。
時々悲しそうに寂しそうに、瞳を揺らしながら話す。
『まずは、そこから立て』
腰が抜けちゃったのか立てなかった私を、手を取って立たせる。
少しだけかなめに寄りかかりながら私は立った。
それでも俯いたままの私の顔を無理矢理上げさせて自分の目と合わせる。
え?
頭に手を置き微笑む。
その顔に安心する。
『早く起きろ。俺を、どれだけ待たせるんだ?』
何言ってるの?
私は起きてるよ?
『とりあえず早く起きろ。目が覚めるの待ってんだ』
待たせる?
なんで?
私は起きてるのに……。
わけがわからないままの私をおいてかなめがどんどん消えていく。
かなめ、まって!
どういうこと?
ねぇ!
いくら叫んでも無駄なようで微笑んだままのかなめはゆっくりとそこから消えてしまった。
なにが?
起きるってどういうこと?
私は起きてるよ?
