青龍の倉庫に入ったのは良いものの、下っ端がいなかった。



部屋の前まで行く間、周りを警戒しながら歩く。



目的地に着いた俺は蹴って扉を開ける。



奥に総長である秀登と副総長の遥人、二人の間には確かに女が1人いた。



手足は手錠と足枷で縛られていた。



しかも、それぞれ鎖のようなもので天井と壁にさらに固定されていた。



体重を支えているのは膝だけの状態。



それも女は頭を前にぐったりと落としていて意識を飛ばしている様だった。



「っ!」



俺はそれを見た瞬間、息をのんだ。



だって、そこでぐったりしている女は確かにまなだったから。



それに顔には傷がいくつもあった。



「まなちゃん!」



それを見たひかるが真っ先に叫ぶ。



秀登はニタリと笑った。



「随分と来るのが早かったな。時間ピッタリに来やがって。もう少し遅く来てくれたらもっと遊べたのに……な?」



そう言ってまなの頬に手を滑らせて上に向かせる。



バン!



気づいたら俺は近くにあった、ドラム缶を思いっきり殴っていた。



ドラム缶には俺のが拳の跡がつく。