[なんだ]
「いつからそんな卑怯な手を使うようになったの?青龍が泣いてるよ?」
白虎も青龍も正統派だった。
そう。
去年までは。
前総長が引退してから青龍は正統派から派閥になった。
俺たちと関わった男や女を人質にしてくる。
だから、俺たちは巻き込ませたくないと意見が一致。
それからつるむのは俺ら白虎のメンバーだけになった。
そのおかげでしばらく青龍と白虎の間での音沙汰は何も無かった。
だけど今回、男ですら俺の後ろに乗ったことのないバイクにまなが乗ったんだ。
久しぶりすぎて、忘れちまってた。
[だからなんだ?]
「元総長たちがこれを知ったら青龍も終わりかな」
ひかるが……ガチ切れしてる。
こいつキレると俺でもビビるぐらい怖い。
こいつが切れることは滅多にないんだけど……今回は白蝶……まなが人質だ。
俺らにとってもこの数日でここまで大切な存在になる女はあいつ以外にいないな。
[そんなこと言ってられるのも今のうちだ。19時に青龍の倉庫まで来い。
早く来ないとどうなるかわからねーぞ?じゃ、待ってるぜ]
