恐怖の渦の中


千恵は目で外を見るように合図をしてきたので、覗き見るかのように窓の外を見た。特に変わったことは無い。


「右斜めにある電柱の下のポスト分かる?結構大きめの。」


指示通り目線を移動すると、確かにサビのひとつも見当たらない立派なポストがポツンッと立っていた。


「ああ、見えるけど特に変わったことはないぞ?」


「そのポストの丁度横にいるのよ。"アイツ"が。」


「へ?」


俺は間抜けな声を出すともう一回目を凝らしてよく見る。姿形は見えなくとも、何か居ると分かるようなものがあるかどうかも見たが、異変は全く発見できない。


「さっき西条君が来た時もあそこにいた。ただポツンとこっちを向きながら立ってるの....」


「マジかよ....だから俺が石ころ投げた時もあんな見方をしたのか。」


俺の質問に千恵はブルブルと震えながらうなづいた。


「それで、女の人はどんな格好何だ?」


「真っ白の服。だけど、血がついてて大半は真っ赤っか。髪は口元がギリギリ見えるくらい長くてボサボサ、血がついてて固まってるし変色までしてる....」